カンチャナブリー県サンクラブリー郡には、タイでは1番、世界では2番目に長い木造橋「モーン・ブリッジ」があります。
また、モーン・ブリッジが立つダムの貯水湖の湖底にはダム建設で沈んだ寺院があり、乾季にはお寺の一部が水面に姿を現します。
モーン・ブリッジとは
モーン・ブリッジとは、タイで一番長い木造橋です。
正式名称はสะพานไม้อุตตมานุสรณ์で、モーン族出身の高僧ウッタマ師(หลวงพ่ออุตตมะ)を称えた名称となっていますが、一般的にはモーン・ブリッジという呼び方が定着しており、現地でも通じます。
全長は約444mあり、日本の静岡県島田市にある蓬莱橋(全長897.4m)に次いで木造橋では世界2位の長さを誇ります。
モーン・ブリッジは、カーオ・レーム・ダム(ワチラロンコーン・ダム)の貯水湖の岸辺に住む1000世帯を超えるモーン族(村は元々は湖底にあったが、ダム建設で沈んだ)の人々が、対岸の寺院へ参拝できるように作られたもので、生活道路橋としての役割も果たしています。
今ではサンクラブリーのシンボルであり定番の観光スポットとなっていますが、モーン族の人々にとっても欠かせない橋なのです。
夕方には絶好のサンセットポイントとなり、多くの写真愛好家が撮影に訪れています。
また、モーン・ブリッジ付近からボートで15分程度の場所には、カオ・レーム・ダム建設で沈んだワット・ワン・ウィウェーカラームとワット・シースワンがあり、乾季には寺院の一部が水面から顔を出します。
未確認ですが、湖底に沈んだモーン族の村もうっすらと見えることがあるようです。
ワット・ワン・ウィウェーカラームとは
ワット・ワン・ウィウェーカラームとは、モーン族の高僧ウッタマ師が建立した寺院です。
サンクラブリーの寺院の中で最も重要かつ広大な寺院でしたが、カオ・レーム・ダムの建設で湖底に沈み、代わりに貯水湖を見下ろす丘に再建されました。
インドのブッダガヤ―様式に似たパゴダや、本堂に安置された大理石の仏像が特徴的で、過去にはミャンマーの民族紛争から逃れてきたモーン族の避難所となった時期もありました。
モーン・ブリッジの場所とアクセス
基本情報
名称 | ・日本語:モーン・ブリッジ
・英語:Mon Bridge ・タイ語:สะพานไม้อุตตมานุสรณ์ |
住所 | Nong Lu Sangkhla Buri, Kanchanaburi 71240 |
アクセス | カンチャナブリー市内から車で約3時間15分 |
アクセス
モーン・ブリッジには、カンチャナブリーバスターミナルからサンクラブリーまでバスまたはロットゥーまで行き、そこからモーターサイまたはソンテウを利用する方法が一般的です。
カンチャナブリーからサンクラブリーまでにかかる時間は3時間15分程度、運賃は150~200バーツです。
サンクラブリー市内中心部からモーン・ブリッジまでは約6kmなので、一人ならモーターサイの利用が便利です。
運賃は50~100バーツくらいが相場ですが、外国人だと倍の値段を言われることがあります。
モーン・ブリッジの観光
モーン・ブリッジは、「見る」、「渡る」、「撮る」という橋観光の基本パターンに加え、ボートから眺める、夕焼けをバックに撮影するなども楽しむことができます。
モーン・ブリッジの入り口です。
橋を渡るのは無料で、朝でも夜でも渡ることができます。
反対側には「Red Bridge」という名前の別の橋がかかっています。
端と橋の間には売店がある他、ボートツアーの勧誘をする人が歩き回っています。
モーン・ブリッジの橋の上です。
木造橋ですが、人が歩くところは意外としっかり作ってある印象を受けます。
実際に歩いてみると、多少の軋みはありますが、「今にも崩れるのではないか」「足が抜けるのではないか」と心配になる郷土ではありません。
が、橋を横から見ると、「この橋、渡っても大丈夫なのか」という不安が一気に高まります。
これです。
手作り感しかない橋げたや橋脚を見て、思わずわたるのを躊躇する人は少なくありません。
しかしもちろん、問題はありません。
モーン族の人も観光客も渡っているので安心して渡りましょう。
橋の全貌が撮影したい場合は、右手前にあるレストランがおすすめです(写真はレストラン内も撮影しています)。
モーン・ブリッジ入口の左後方には川辺に降りる階段があり、降りるとボートツアー用のボートが停泊しています。
ボートツアーの料金は1ヶ所(1つの寺につき)300バーツ、3ヶ所500バーツです。
1ヶ所を選択した場合は湖底に沈んだ寺(ワット・ワーン・ウィ・ウェーカラム)、3ヶ所の場合は湖底に沈んだ寺2ヶ所とモーン族の村に案内されます。
タイ語が分かれば、行きたい場所を指定することもできます。
ボートツアーに参加するなら18:00前後がおすすめです。
ボートツアーは18:00前後が最終便なので、ボートの運転手は最後の客を得ようと特別価格を提示してきます。
私の場合は、3ヶ所500バーツのところを300バーツで参加することができました。
また、引き返す頃には良い具合に日が沈み始めるので、湖畔から夕焼けをバックにモーン・ブリッジを撮影できるのも大きなポイントです。
ボートから撮影したモーン・ブリッジです。
下から見るとますます橋の強度が不安になりますが、近くで見ると「まあ、大丈夫かな」と思える程度の構造にはなっています。
少し離れたところ湖上から撮影したモーン・ブリッジです。
モーン・ブリッジからボートで15分くらい進むと、カオ・レーム・ダム建設で沈んだワット・ワン・ウィウェーカラームに到着します。
ボートの運転手に頼めば、左奥に見える寺の一部に上陸することもできます。
雨期には水量が増え、写真で写っている部分もすべて水面下に沈みます。
湖の上には観光客だけでなく、釣りや漁をする現地の人もたくさんいます。
モーン族の家です。
どの家も水の上に浮くフローティングハウスです。
クウェー川通りのゲストハウスにもフローティングハウスがありますが、こちらは実際にモーン族の人々が生活しています。
撮影日は、ボートの運転手に頼んで、モーン族の村側(出発地の対岸)で降ろしてもらいました。
モーン族の子どもが船で遊んでいる様子が微笑ましいです。
対岸からモーン・ブリッジを撮影しました。
対岸では、日本の高架下のような感じで、橋の下に土産物屋や売店が立ち並んでいます。
撮影日は、対岸からモーン・ブリッジを渡りました。
夕日が落ちてすっかり暗くなった貯水湖の様子です。